第55回障害者作品展が無事終了しました

  1.   >  
  2.   >  第55回障害者作品展が無事終了しました

第55回障害者作品展が無事終了しました

2021年2月8日 事務局

コロナ禍という災害にも似た非常時が、一年を超えて続いています。
そのような状況ではありましたが、おかげ様で今年の作品展も無事会期を終えました。
期間中に会場を訪れてくださった方は775名で、やや少なくなりましたが、
それでも大成功だったと思います。
事前に、開催を心配する声がたくさん寄せられました。
逆にそのことによって、皆さんがこの展覧会を待ちわびていることがよく分かりました。
今回のチラシやポスターは、去年の作品展直後にデザインしました。
ちょうど名古屋で最初の感染が広がり始め、全く先が見えない時期でした。
市長賞の神田千枝子さんの書の作品から文字を抜き書き、キャプチャーをつなげたものです。
柔らかな春の一文字が好きで、本当に春を待つ気持ちで何度も見返しました。
背景は奥村友紀さんの「スペインの風景」。
画面の構成の関係で空の青色を上に引き伸ばしたのですが、
そのまま宇宙につながりそうな高い空になり、希望をふくらませてくれました。
おふたりとも、このデザインの使用を喜んで認めてくださいました。
いつになく早く作っておいたこのチラシの画面が、
ずっと行く手を照らしてくれていたようで、開催側の私たちには、
根拠はなくてもきっとやれると変な楽観があったように思います。
そして、ふたを開けてみれば、この災いの日々は、作り手や支える人を進化というか、
深化させていたのではないかと思うほど、今年の作品たちにはパワーがありました。
作り手自らが深まる過程が伺えるともに、誰かに届けたいという想いがはっきり見え、
たくさんの花が咲いたようでした。
この展覧会はあくまでただの公募展で、むしろ古風だし、決して派手ではありません。
ご本人も支援する人も、全く偉ぶらないというか、
ご自分がすごいとは思っていないようです。
けれどもお話を聞いてみると、言葉が溢れ出してくるのです。
今回いくつか作品をピックアップし、作った人や支援をする人にインタビューをしたところ、
たくさんのストーリーやヒストリーに出会いました。
その言葉に触れたあとにもう一度見た作品は、信じられないほど豊穣で饒舌でした。
私たちは受け入れ時からその作品を何度も見ていたはずなのに、
別の目が開かれたかのように、多くのものが飛び込んでくるのです。
この動画は、4月の下旬から5月の上旬に、
今年度のバーチャル作品展と同時に公開する予定です。
広くて天井の高いギャラリーには、マスク越しにひそやかにではあるけれど、
嬉しそうな声、感嘆する声、賞賛する声が絶えず、音が柔らかく広がって、
耳に優しく届きます。この音も皆さんに届けられるかもしれません。
一年にたった一週間しか開かれないこの場が、どれほど貴重であるか、
実感した今回の作品展でした。
コロナの影響もあり一部不自由な運営でしたが、多くの方々が参加してくださり、
温かなご理解とご協力を頂いたことに心から感謝します。

 授賞式のようす(市長賞青山さん)