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ふりがなをつける 2月6日(水)~2月11日(月・祝)の日程で、今年も名古屋市障害者作品展が開催されています。出品数は書道、絵画、写真、手芸、工芸の5部門合わせて314点。会場の名古屋市博物館には、あいにくの雨模様にもかかわらず、初日からたくさんの人々が訪れました。
開館直後に会場を巡るお二人連れがいらっしゃいました。女性が「あっ」と小さな声をあげ、慌てて男性を呼びに走り、二人で手芸のコーナーに入って行きました。ほどなくしてすすり泣くような声。
お声をかけさせていただくと、手芸の部でNHK厚生文化事業団賞を受賞された長崎さんのご夫妻でした。写真を撮ってほしいと頼まれたのでお手伝い。作品の前で、「良かったね」と涙をこぼしながら笑顔の奥様。長崎さんも、時々片手でメガネを外しては目元を拭っています。
艶やかな紅白の椿。油絵にも見えますが、全て色糸で描かれたものです。ふちから真ん中に向かって、巻き込むように目打ちで糸を打ち込んでゆきます。片マヒの長崎さんは、ヘルパーさんに糸を持ってもらいながら片手で制作するそうです。1週間に3時間取り組み、8か月近くかかった力作です。
よく見ると、椿の花びらのふちが輝いています。かがるようにのせられた金色の糸。これで花が生き生きした光を帯びます。こんな細部にいたるまで、長崎さんは工夫を凝らしているのです。頑張ってほしいけれどあまり無理しないように、といつも傍らで見守ってきた奥様と並んで、長崎さんはゆっくりとほころぶような笑顔を見せてくださいました。
今年も、そんなドラマを経て生まれたたくさんの作品に出会えます。そしてたくさんの笑顔にも。どうぞ会場にお運びください。心よりお待ちしております。
長崎さんと受賞作品「竹と紅白椿」
第53回名古屋市障害者作品展示会
場所:名古屋市博物館
〒467-0806 名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1
(市営地下鉄「桜山」4番出口徒歩5分)
会期:平成31年2月11日(月・振休)まで
時間:午前9時30分~午後5時(最終日は15時まで)
※最終日は午後2時から授賞式が開催されます。