ドキュメント「作品展開幕の朝」

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ドキュメント「作品展開幕の朝」

2018年2月7日 事務局

2月5日(月)

作品展前日です。

午前11時。
名身連本部会館から3台の車に積まれた338点の作品が博物館裏手の搬入口に到着。
ここからは時間との戦いです。
名身連の職員14名が書道、絵画、写真、手芸、工芸の部門別に作品を
3階ギャラリーに上げ、それぞれの展示室に運び込みます。
審査会が始まるまでの短い時間の中で、ひとつひとつ丁寧に梱包を解き、
ワイヤーに吊るしたり、彫塑台に並べたりして、なるべく美しく、
見やすいように展示してゆきます。
ワイヤーは、重量のある額を提げるのには向いていますが、
軽い作品はなかなか壁面に安定せず、苦労します。
また、作品の吊りひもがきちんと固定されていないものは落下してしまうので、
現場でもその都度修繕しています。
壊れやすいものや重量のある作品の扱いには、特に気を使います。
展示が終わると、作品に作者名や作品名の記された作品カードをつけてゆきます。
今回、3時間近くかかって展示作業が終了しました。

午後2時30分。
在名の事業団やテレビ局から、審査員の方々が集まり始めます。
今回は11名で審査会を開催しました。午後3時開会で、審査時間は1時間。
各審査員が良いと思う作品に票を投じます。
審査が終了すると審査員の皆さまから感想を伺います。
「どんな人がどのようにつくったのか、写真などがあると感情移入できる」
などのご意見をいただきました。

午後5時。
審査票をまとめ持った職員が事務局に帰り、集計を開始。
集計結果から各賞の決定に入ります。
全50賞が決定して各所に速報のファックスを送信するころには、夜も更けています。

2月6日(火)

午前8時30分。
いよいよ開会の朝です。きんと冷え込んでいますが快晴。
会場の博物館の向こうから、まばゆい太陽がのぞいています。

午前9時。
会場の受付係や名身連の職員が入館。ギャラリーが開錠されます。
大急ぎで受賞作に賞ビラをつけてゆきます。
作品がもっときれいに見えるよう、ここでも展示を手直ししながら。

午前9時30分。
館内にアナウンスが流れ、いよいよ開館です。
ひとり、ふたりと入場されたと思ったら・・・
気がつくとこんなにたくさんの方が訪れていました。
ご自身の受賞を確かめにいらっしゃる方も。

聴覚に障害のある松村さんは、毎年工芸の部門に出品して受賞している実力派。
以前は木彫りの作品を手がけていましたが、
最近はダンボールをちぎったものを素材に大型の立体作品を制作しています。
制作には少なくとも一ヶ月以上、長いと半年くらいかかるそうです。
今回はあうんの一対の仁王像でメ~テレ賞を受賞されました。
昨年まではダンボールの素材感をそのまま活かした作品が多かったのですが、
今年は細部に至るまで見事な彩色に目を奪われます。
なんと、顔料をトイレットペーパーに浸して色づけしてゆくとのこと。
一度では色がのり切らないので、幾度も塗り重ねます。
本物の仏像のような質感に仕上がっています。
どこの仁王さんがモデルなんですか?と伺うと、
大須でも見るけれど、京都や奈良にも行って、いろいろな仁王像を見て、
写真も撮って、そのイメージで作ったので、もう覚えていないとおっしゃいます。
ちょっぴりはにかむ松村さん。
すくっと立った色鮮やかな仁王さんとの記念写真をお願いしました。

第52回名古屋市障害者作品展示会は、2月12日(月・振休)まで、
名古屋市博物館で開催されています。
どうぞご来場のうえ、ひとつひとつの作品をごらんください。
その作品をつくった人たちに思いを寄せていただけましたら、なお幸いです。

 

場所:名古屋市博物館
   〒467-0806 名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1
   (市営地下鉄「桜山」4番出口徒歩5分)

会期:平成30年2月12日(月・振休)まで

時間:午前9時30分~午後5時(最終日は15時まで)

 ※最終日は午後2時から授賞式が開催されます。